「凪のお暇」と魂の王国

この間、仕事関係の人たちと、ドラマ『凪のお暇』の話で盛り上がりました。あまりに人気なので私も追っかけで見始めたドラマです。

帰宅してからもこのドラマについて、SNS友人たちとひとしきりしゃべり「(主人公の元カレ)慎二がクズすぎる。でも、高橋一生が上手いから可愛く見えちゃう」という点で、意見が一致。

ご存知の方も多いと思いますが、このドラマには同名漫画の原作があります。

空気を読みまくり、言いたいことは何も言えず、我慢を重ねすぎて過呼吸で倒れた主人公・凪ちゃんが、仕事も恋人も捨ててお引越し。人生のリセットを図ってどんどん解放されていくお話で、ドラマは役者が皆はまり役。

この漫画が累計250万部売れて、ドラマも大好評なのだから、どれだけ空気を読んで浮かないように生きる生活に、息苦しさを覚えている人が多いかってことですよね。

さて、この凪の元カレ・慎二は、彼女とは対照的なタイプ。場を仕切り人心を掌握するのがうまいトップ営業マンで、すべてにそつがないのだけど、凪にだけは傍若無人。モラハラの嵐。

この慎二の言動がクズ過ぎて、まとめサイトが出来てるくらいです(興味がある人は「凪のお暇 慎二 クズ」でググってみましょう)。

さて、その慎二が三軒茶屋から立川に引っ越した凪の所にわざわざやってきて「いいかお前は絶対に変われない、絶対に」と呪いの五寸釘を刺すシーンがあるんですけどね。

このセリフ、私には既視感がありすぎてぞっとしました。思わず画面に「いやいや、アンタが言いたいのは『お前は変われない』じゃなくて『お願い。永遠に変わらないで。永遠に従順なダメキャラの僕の彼女でいて』でしょうが」と、ツッこみましたもん。

私も以前、通っていたエネルギーワークセミナーの先生に「(その先生の元に来なくなったら)あなたは絶対、変われない!」と恫喝されたことがあったんですよ。

普段ぼやっとしている私ですが、あの時は思わず「そんなわけない!」と、大声が出たなー。

先生がいなくちゃ変われないなんてこと、あるわけないじゃん。

師匠がいてもいなくても、最終的に自分を変えられるのは自分しかいないのに、何いってんだ?

すると先生は 「あら、あなたパターンを変えたわね!あなたのいいところは優しさなのにそれじゃ台無しね」とまるで私には「優しさ」以外の長所がなくて、反抗するとその長所さえ失うような調子でおっしゃる。

確かに私は優しいけど、それ以外の長所もたくさんあるし(できないことも多いけどね!)根は強いんだけどな……と思いながら気づきました。

おお、これぞコントロール! 精神的な支配だ。見えないロープが巻き付いてくるような気持ち悪さの正体はこれか。そういえば以前も「エネルギーがある方がない方を支配するのがこの世よ」って、言ってたしな。わぁ、ヤバッ。

急速に白けた気分になり、ちょうど受講していたコースも終わる時期だったので、そのまま辞め、先生主宰のグループSNSなども全部抜けました。まあ、習いたかったことは習い終わったから、ちょうどいいタイミングだったみたい。

その先生に感謝している部分も多々ありますが、私は相手が誰であれコントロールはいらないし、他人を支配したがる人とは距離をとります。

人はそれぞれ自分の魂の王国の王様、女王様。

私は私の王国の女王様で、あなたはあなたの国の女王様。いろいろ違うところはあるけれど、お互いに尊重しあって楽しくやりましょ、というのが私の好み。誰の王国の従属民にもならないし、誰かをそうするつもりもないのです。

ていうか、自分自身以外のものに従属して全てを委ねてしまうのはすごく危険なことですよ。それを今、多くの人が無意識レベルで感じているから『凪のお暇』が受けているんだと思う。

星の動きを見ても、地球は今、長く続いた「支配−被支配」の世界から、お互いを尊重しあう流れへとシフト中だし。

この先生に可愛がられていたのに、突然パタッと連絡を絶って彼女を激怒させたチャネラ―の友人が「あの人、愛じゃないよね。否定から人は伸びないのに、いつまであんなこと続けてんだろ」と呆れていましたけど、今思うとあの先生は生徒の成長を望みながら、永遠に未熟なまま自分を敬い従う存在でいて欲しいという願いも持っていた気がします。

キモい経験でしたが、おかげで自分の魂の王国を、コントロールから守ることの大切さを学べました。

さて、ドラマ『凪のお暇』は次回、慎二に大きな変化が起きるらしい。慎二は自分で自分を縛っているもろもろも「呪縛」から抜けられるのか!?

次回も楽しみです。

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