開運タクシーとハイヤーセルフ

今日、昼間に用事があって成城学園前まで行きました。

外は雨が降っていて、大きな荷物もあったので、タクシーを拾おうと歩き出し、なんとなく今日はこっちの道に来る気がする……と、駅から遠い方の大通りに出て2、3分進んだら……来た!

個人タクシーとおぼしき白い車体が、赤いランプをつけて近づいてきました。

ところが、停車した車をよく見たら「回送」だったのです。

ドアが開いたので「乗せてくれるんですか?」と車内をのぞきこむと「近くまで? 駅? いいですよ、どうぞ」と運転手さん。

いやぁ、ありがとうございます。助かります。荷物が重くて……と乗り込んで、車が走り出すと、

「実はトイレに行きたくて、ずっと我慢してるんですよ。さっき江古田で乗せた人が、調布までだったの。それで帰るところなんだけど、環八はトイレがないんだよね」。

あらぁ、それはお気の毒。すいませんね、そんな時に。

「いや、近くまでだからいいですよ。今日はお客さん降ろすと15000円超えるから、もう終わっちゃおうと思って。今日は1万円行かないだろうと思ってたのよ。雨だしね。それが、4人運んで15000円ですよ。あの駅の裏に公衆トイレがあるからやっと行けるわ。お客さん乗せてこっちに来たから。私の方がありがたいですわ」

ああ、よかったです。駅の裏にトイレありましたっけ? さすが、よくご存じですね。

「そりゃあこの辺のことは何でも知ってますよ。私、この道49年ですよ。うちの近所だけで50人以上、お得意さんがいるの。お客さん、これから運が良くなりますよ。みんなそうなの。この車に乗った人は、もうね、ドンドン良くなる」

と、突然の開運予告を受けたところで駅に着き、「ほんとに? うれしいなぁ。あ、領収書ください。ありがとうございました~」と、相槌を打ちながら車を降りました。

タクシーに乗って開運予告を受けたのは初めてです(笑)。

乗ってくるお客さんにみんな言ってるんだろうな、と思いつつ、そういうリップサービスに悪い気はしません。

太っちょのたれ目で、鶴瓶さん風ルックスの運転手さんは、心なしか七福神の恵比寿さんに似ていた気もします。

面白い運転手さんだったなぁと思いながら成城学園前に着き、サクサク用事を済ませて、駅ビルのトイレに寄ったら、住宅街らしからぬ規模の立派な三省堂書店が!

そうだ、空海の本、探さないといけなかったんだ……と中に入り、パッと目に飛び込んできたのは、入口の平台に積まれたカズオ・イシグロの『忘れられた巨人』と、カラテカ矢部さんの『大家さんと僕』。

「忘れられた巨人」読みたかったんだっただよね。文庫が出たのね。

カラテカ矢部さんの初マンガ?(パラパラ……)面白そうじゃん!と、手に取って、店内の検索用端末で空海本を探すと、お目当ての本は成城学園店に在庫なし。

でも、kindle版があった。うん、こっちで良し。そのままスマホにピッとダウンロード。

手に持った2冊だけ購入して、わぁ、一気に用事が片付いたなぁとウキウキしながら、矢部さんの『大家さんと僕』を読み始めたら、これが面白い!!!

小説新潮に連載されていた作品だそうですが、実話なんですよね。

それが奇跡のような実話で、矢部さんと彼が間借りしているお部屋の大家さんの友情物語。

ふわっとしていて柔らかく、ときどきふきだしちゃう温かな笑いが満載で、現代の(幸福な)おとぎ話のようでした。

87歳の大家さんから、戦時中の話や、昭和初期の恋バナ、昔のハイソな家庭で育まれていた「文化」をいろいろと教わって、それをマンガにして好評を博しているという矢部さんの現在も、とても蠍座木星期っぽくて、そこにも感動。

(蠍座木星期は有形無形の豊かさを受け取る、伝承として受け取ってさらに大きく膨らます時期でもあります)

見ていてほっこりの絵もいいし、面白くてやめられず、一気に読んでしまいました。おすすめです!

感動のあまり、話がそれましたが、この『大家さんと僕』に、私が最近ハイヤーセルフ(=大いなる自己。誰にでも必ずついている魂の親のような存在)に「どう思いますか?」と尋ねていた答えが書いてあったんですよ。マンガだから、すごく分かりやすい表現で。

それで成城の三省堂書店に導かれたのか~と、合点がいきました。

ありがとう!ハイヤーセルフ。いつもホントにありがとう!

トイレを我慢して乗せてくれた、あの開運タクシーの運転手さんも「今日、答え送るよ。逃さずにキャッチしてね」というハイヤーセルフの回し者メッセンジャーだったのかもしれません。

なにしろ、あの人、福々しい恵比須顔でしたからね。

 

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