私の素晴らしさは私が一番よく知っています

タイトルは私が以前、一緒に暮らしていた猫さんがよく言っていたフレーズ。私がアイコンにしている猫殿です。

とても可愛く、賢く、愛情と気品と天真爛漫さに満ち溢れ、誇り高い猫だったので「やんちゃんは可愛いね。やんちゃんは素晴らしいわね」と、毎日のように褒めていたのですけど、そう言いながら撫でると、満足気にゆっくり瞳をしばたき、私をじっと見つめてこのように言うのです。

「I know.  私の素晴らしさは私が一番よく知っています」。

え?猫がそんなことを⁉
と思うかもしれないけど、動物も話しますからね。人間との会話が成り立つかどうかは、人間の感受力と動物の伝達力のレベル次第ですが、とりわけ犬や猫、馬などの人間と生活を共にする動物は、雄弁にいろんなことを伝えてきます。

人間側の感受力、理解力が低すぎて、伝えることをあきらめてしまう子もいるものの、本当はいろいろ伝えてきているので、そこは赤ちゃんの言葉を理解しようと感受性を全開にするのと同じで、人間も努力しないとね。

おっと、話がそれましたが、私が子供の頃から10匹以上の猫と暮らしてきて「私の素晴らしさは私が一番よく知っている」なんて言った猫は、やんさんだけです。

彼女はなんというか……タロットで言えばDisc 1 みたいなエネルギー。

自分はすべてを持っている、自分にすべての叡智が備わっている、自分は完璧に宇宙の流れと同調していて、何の欠けもない――ということを知っているからこその「私は素晴らしい」で、愛と調和とカリスマを体現する猫だったのです。

当時——もう20年くらい前になりますが――の私は軸がぶれぶれで、人の反応に振り回されながら生きていて、簡単に言うと、とても疲れる生き方をしていました。

そこに突然「ニャーニャーなきすぎてうるさいと、最初の飼い主から返納された猫」がやってきて、毎日ニャーニャーなきながら私の生活と生き方をHappyな方に「矯正」してくれたのです。

「そんなにザワザワした気持ちのまま、仕事を始めてはいけないわ。まず、私を抱っこして外を眺めなさい。気持ちが落ち着いて、楽しい気分になってからお仕事なさい」と、朝食もそこそこにデスクに向かった私を阻止したり……。

「あなたが一緒にいて本当にHappyな人とつきあいなさい。あなたを利用したいだけで、大切にしない人には帰ってもらいなさい」と、いつも愚痴をきいてもらいに来る知人に詰め寄って鳴き散らし、追い返してしまったこともありました(笑)。

他にも、やんのエピソードを書き出すと、一冊の本ができるくらいありますが、彼女はいつも「愛と調和と喜び」の中で生きている「偉大なるマスター」のような猫だったため、私が軸からズレているのが気にくわなかったのでしょう。

彼女がいた頃は、毎日ニャーニャーといろいろ指摘されるし、私自身も「やんちゃん、この仕事、どう思う?受けていいかな?」と彼女にあれこれお伺いを立て、彼女の「OKよ」に従えば従うほど人生が好転していったのです。

当時の私はまだ「ハイヤーセルフに聞くこと」をしていませんでしたけど、このグレートマザーのような偉大な猫に尋ねる習慣が、人智を越えた宇宙の流れに同調していく基盤を作ってくれたように思います。

さて、私だけでなく友人知人にも「猫ではなく、偉大なる何か」と言われていたやんにも欠点がありました。

それは……ウン〇の切れが悪かった際に、絨毯でお尻を拭くクセ。

それをやられると人間は洗濯が大変で、「マジでやめてほしい‼」と思っていましたが、私が留守の時は仕方ない。拭いてあげられないからね。

当猫も迷惑をかけた自覚があるのか、やってしまったときはカーテンの影に隠れて「ニャニャニャ…ニャニャニャ…」と言い訳するなど恥ずかしそう……。

しかし、そんなことで存在としての彼女の偉大さ、温かさ、素晴らしさに陰りが出るわけではありません。お尻スリスリ癖があっても、やんちゃんは素晴らしい!

それを私は知っているし、彼女自身も知っているから、可愛いと褒められたら、恭しくアルカイックスマイルを浮かべて「 私の素晴らしさは私が一番よく知っています」と答え続けたのでしょう。

そして彼女はこうも言っていました。
「あなたも私のように生きればいいのよ」と。

今日、なぜいきなり、やんの話を書いたかというと、これからは誰もが「 私の素晴らしさは私が一番よく知っています」というスタンスで生きられる時代だと思うし、そういう人が増えるほうが世界は豊かで平和になると思うからです。

普通の人間、普通の人生なんてありません。
どんな人でも、どんな人生でも、それぞれに「特別」。
そのスペシャルな自分をまるごと認めるところから、新しいHappyな展開が始まると思うのです。

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